青藍の実家。
現在の当主は兄の紅竜が務めています。
魔界のとある湖のほとりにある城です。
城塞のように外壁で囲まれていて、外からは城の上半分しか見ることが出来ません。
門(跳ね橋式)は平時は閉められていて、催事が催される時にのみ開かれます。
表庭の植栽は低いです。これは侵入した敵が隠れる場所を減らすためのものです。
裏のプライベートガーデンのほうには高木もあります。
敷地内には兵士の宿舎や鍛練場も備わっています。
地下には数多の牢があり、狩られた人間などもそこに入れられます。牢以外にケルベロスの巣穴や処刑場もあると言われています。地下水路で外の湖とつながっています。
外から見るとひとつの城ですが内部は細かく分かれています。大きく分けて、母屋、離れと呼ばれています。
内部は複雑な迷路のように廊下が入り組んでいて、部外者は大抵迷います。
母屋には当主が、離れには隠居した前当主と夫人が住んでいます。
ですが、第二夫人は北の塔をあてがわれています。
分家筋はそれぞれに領地があるのでこの城には住んでいません。
ノイシュタインから6駅先にある町。
この地方では最も活気づいた交易の町です。
汽車の乗り換え駅でもあり、違う路線が3本交差しています。
駅前には商店や露店が数多く並んでいます。近年は馬車の量も増え、人身事故が絶えません。
仕事や活気を求めて多くの人種が集まっています。彼らと一緒に入って来た動物や商品も目にすることができます。
町のシンボルは白い吊り大橋。但し高層の建物が多いため、駅からは見ることができません。
住宅は3階以上のアパートメントタイプが多く、そのため住宅に挟まれた路地は光が射し込まず薄暗いのが難点です。
路地の上のほうでは建物の壁と壁の間にロープをわたして洗濯物を干してあったりもします。
路地の奥は通りから見えないのでゴミ箱置き場になっています。悪臭が漂うため、窓はほとんど開けられることがありません。そんな場所なのでわざわざ立ち入って来る人もいません。
作品中でルチナリスたちが入った店は吊大橋近くにあります。
店のまわりには白樺を植え、ランタンを多く吊り下げることで、通行人が店内を覗けないようにするとともに、店内から外の雑多な風景が見えないように配慮しています。
名物はイチゴパフェですが高額なのであまり注文する客はいません。
喫茶と雑貨の複合店舗で、店のモチーフともなっているサンタグッズも多数取り揃えています。
気候がよければテラス席で飲食を楽しむことができますが、作中では冬のためテラス席は出ていません。
ノイシュタイン領最北端にある山奥の町。
主な生業は採石で、コランダム(※)が採れます。
原石のまま出荷することが多いのですが一部は町の中で宝飾品に加工・販売もされています。
但し観光地ではないので一般客は少なく、宝飾品を買っていくのも買い取り業者が主となっています。
他の町との境には谷があるのですが、古いつり橋、もしくは山を周りながら下るような獣道しかなかったため、数年前から橋の建設が行われていました。
完成後は重量のある荷馬車も通ることができるようになったので石の運搬も楽になり、また、観光にも力を入れるようになります。
(※)色がついたものはルビー、サファイアなどと呼び分けられます。
ノイシュタインの隣にある町。
勇者・メグ兄妹の実家があります。
教会が運営している学校もあります。
隣町ですが小さな湾を挟んでいるため、迂回路になる馬車よりも直線距離の海のほうがノイシュタインへの距離は近いです。但し、一般客を乗せる海路はありません。
砂浜があるため夏になると海水浴客が訪れますが、それ以外の季節は静かな田舎町です。年中頻繁に勇者がやって来るノイシュタインに比べ観光収入も少なく、過疎化が深刻な問題となっていました。
この度、海水浴事業に重点を置き、新たに食事や遊具を強化。
他所の海水浴場と一線を画したのがよかったのか、海水浴客数が激増しました。
特に「かき氷」「焼きそば」といった他の海水浴場にはない軽食、そして女性向けのカラフルな水着の販売が新たな目玉となっています。
なお氷は町の外れに氷室を作り、冬の間に氷を貯めて使っているようです。
海水浴場の盛り上がりに目を付け、商売を始めるために移住してくる者も増えつつあります。
列車の線は通っていません。
遠出するには馬車、もしくはノイシュタインまで出てから列車に乗ることになります。
有料ですが、ノイシュタイン駅までは日に数便の定期便(乗合馬車)も出ています。
海岸端に建てられている倉庫は海の家関連のものを保管しておくためのものです。
勇者が「幽霊が出る」と言っていましたが(Episode13)、倉庫で出るという噂はありません。彼の創作と思われます。