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観覧車

 

創作#タグ(@sousaku_hashtag)様より

 #うちの子を観覧車に乗せてみた

 #観覧車に乗った時のうちの子

 



 微かな振動と共にゴンドラが上がって行く。あなたは子供のようにはしゃいでいる。

「ほら見て、グラウス。星があんなに近い」
「街の灯もあんなにたくさん見えるよ」

 上も下も満天の星。
 あなたとなら、空も飛べそうだ。



薬指


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #うちの子らの薬指同士を絡めさせる

 



「……なに?」

 小指じゃなくて薬指。ぎこちなさにあなたは眉をひそめる。

「知ってます? 薬指は心臓に繋がってるんですよ。心が通じる感じ、しませんか?」
 言った途端に慌てて解かれた。

「し、知らない」

 ああ。

「……今朝花瓶割ったの、あなたですね?」



手乗りサイズ


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #うちの子が手乗りサイズになったら

 



「……見ぃつけた」

 手乗りサイズになったあなたは探し出すのも一苦労。そんなあなたを摘むと、私は胸ポケットに入れる。

「何すんだよー」
「間違って踏みそうなんで」

 温かいのはポケット? それとも胸?
 ずっとこのままなら、あなたを独り占めできるのに。



手を、繋いで


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #うちの子に手を繋ぎたいと言わせてみる

 



 月の大きい夜は怖いんだよ。呑みこまれそうになるんだ。ここに、お前の傍にいられなくなるような。
 ……だから。

 上着の裾を引っ張られて、私は隣を見る。俯いたまま黙っているあなたを。

「手、繋ぎましょうか」

 あなたの手は、口よりずっと多弁です。


桜の下で


 

 桜カラー企画に投下したイラストに

文をつけてみたもの

 



 桜の下を歩く。舞う花弁が私とあなたを隔てていく。
 ……また置いていってしまうのですか?
 伸ばしかけた手は届かない。

「どうかした?」

 差し伸べられた手に私は顔を上げる。そこにあるのはいつもの笑顔。
 あぁ。
 私は、まだ一緒にいてもいいんですね。



暑さ対策


 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子の暑さ対策

 



 春と言うには暖かすぎる今日、何故《なぜ》か朝からずっと視界にあなたがいる。

「何か?」
「何も」
「用があるなら、」
「何もないって」

 言葉とは裏腹の不満そうな目。

「……かき氷作りますか?」
「氷からだよ!」

 わかりやすいと言うか、わかりにくいと言うか。



花にたとえる


 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子を花に例えるとなんですか

 



「百合ですね」

 背を向けたまま彼はそう言った。

「華やかで良い匂いがして。花言葉は純粋」

 よくそんな歯が浮くようなことを。まるで口説く台詞だよ? そう咎めると彼は目を細めて振り返った。

「口説いているんですよ?」

 手元の花瓶から白い芳香が漂う。




「タンポポって感じ?」

 義兄はそう言って笑った。
 ……なにその雑草代表。
 踏まれても蔓延《はびこ》るず太さが似てる?
 食べることもできる庶民の味方だから?

「柔らかくってふわふわしてて可愛いよね」

 う。そんな邪気の無い笑みで言われると納得しちゃうじゃないの。



小さくなったら


 

創作#タグ(@sousaku_hashtag)様より

#自分の恋人が小さくなった時の反応(=子供化で)

 



 そうきたか。
 オムライスと格闘しているその子はどう見てもあの人。
 だが驚くどころか頬に付いたご飯粒まで可愛いと思う自分が怖い。
 今なら……好きかと聞いたら答えてくれるだろうか。
 喉元まで出かかった言葉を、摘んだご飯粒と共に呑み込む。



言い訳


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #泣いている姿を見られた時のうちの子の言い訳

 

とてもわかりにくいですが、ソロネとエリックの話です。

 本編のソロネちゃんは絶対に泣かないし、

エリックは敬語使わないしで別人と化しています。

 



 泣いてないわよ。と彼女は言う。
 持って生まれた性格もあるのだろうが、僕の記憶に彼女の泣き顔はない。
 高慢で高飛車で気丈。それが彼女。

 目が赤いですよ。
 ウサギに化ける練習してたのよ。

 ……はいはい。そういうことにしておきましょう。


寂しい


 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子が寂しい時にとる行動

 



 戸棚から紅茶の缶を取り出す。飲む時にふわっと浮かべるあなたの笑みが好きだ。
 菓子は、春だから桜のクッキーにしようか。また甘いと言うかもしれない。

「お茶、入りましたよ」

 声をかければ返事が返ってきそうな気がして。
 あなたが……いるような気がして。




 ペンを眺める。
 これを凶器にした話があったが本当に刺さるのだろうか、なんて考える。

「何やってんですか!」

 怒りながら包帯を巻く彼の髪と、床に散った紅い血溜まりを見る。

「暇だったから」
「は!?」

 だって、他の構ってもらい方を知らないんだもの。