Novel link ‐ 140字ss


 

twitterのTLに流れて来たお題などを題材にして書いたSSが、

そのまま流れてしまうのも勿体ないのでまとめたもの。

随時更新。

 

行頭空け・三点リーダは修正してありますが、文章はそのままです。

 

読みやすくするためにスペース、改行を入れてあります。

お題時の規定などにより、140字以外のものもあります。

 

※主に題材はまおりぼ。そしてBLも含まれています。ご注意ください。

 


【観覧車】

 

創作#タグ(@sousaku_hashtag)様より

#うちの子を観覧車に乗せてみた

#観覧車に乗った時のうちの子

 

 

 

微かな振動と共にゴンドラが上がって行く。

あなたは子供のようにはしゃいでいる。

 

「ほら見て、グラウス。星があんなに近い」

「街の灯もあんなにたくさん見えるよ」

 

 上も下も満天の星。

 あなたとなら、空も飛べそうだ。

 

【お見舞い(BL)】

 

フォロワーさんより

 

風邪ひいた友だちをお見舞いに行ったら、

いつもの強気はどこ行ったんだって位弱ってて息が荒くて

汗とかでぐっしょりしてたのを見て思わず襲いかかる系の風邪BL下さい。

(※BLエロ注意)

 

 

 

「おい、生きてっか!」

ドアを蹴破って入ったその部屋で、真っ先に感じたのは汗の匂い。

荒い息。潤んだ瞳。どれもいつもと違う。

 

「……何か、そそる」

のしかかると、そいつは目を見開いた。

「ふざけん……!」

拒絶の声は舌で塞いで。

 

呑みこまれる。熱に。

 

 

【薬指】

 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子らの薬指同士を絡めさせる

 

 

 

「……なに?」

 

 小指じゃなくて薬指。

ぎこちなさにあなたは眉をひそめる。

 

「知ってます? 薬指は心臓に繋がってるんですよ。

心が通じる感じ、しませんか?」

 言った途端に慌てて解かれた。

「し、知らない」

 

 ああ。

 

「……今朝花瓶割ったの、あなたですね?」

 

 

【手乗りサイズ】

 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子が手乗りサイズになったら

 

 

 

「……見ぃつけた」

 

 手乗りサイズになったあなたは探し出すのも一苦労。

そんなあなたを摘むと、私は胸ポケットに入れる。

 

「何すんだよー」

「間違って踏みそうなんで」

 

 温かいのはポケット? それとも胸?

 ずっとこのままなら、あなたを独り占めできるのに。

 

 

【手を、繋いで】

 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子に手を繋ぎたいと言わせてみる

 

 

 

 月の大きい夜は怖いんだよ。呑みこまれそうになるんだ。

ここに、

お前の傍にいられなくなるような。

 

 ……だから。

 

 

 

 上着の裾を引っ張られて、私は隣を見る。

俯いたまま黙っているあなたを。

 

「手、繋ぎましょうか」

 

 あなたの手は、口よりずっと多弁です。

 

 

【桜の下で】

 

桜カラー企画に投下したイラストに文をつけてみたもの

 

 

 

 桜の下を歩く。

舞う花弁が私とあなたを隔てていく。

 

 ……また置いていってしまうのですか?

 伸ばしかけた手は届かない。

 

 

「どうかした?」

 

 差し伸べられた手に私は顔を上げる。

そこにあるのはいつもの笑顔。

 

 あぁ。

 私は、まだ一緒にいてもいいんですね。

 

 

【筋力で解決する・1】

 

#筋力で解決する童話

 

 

 

 ネズミのお婆さんはモグラとの縁談を進めます。

おやゆび姫が嫌だと訴えると、お婆さんは立ち塞がってこう言いました。

「そんな台詞はあたしを倒してから言うんだね。青臭い小娘が!」

「……ほぅ? やろうってのかい? 婆さん」

 おやゆび姫は指を鳴らしました。

 

 

【筋力で解決する・2】

 

#筋力で解決する童話

 

 

 

 オオカミは呑み込んだ6匹の子ヤギたちによって内側から破壊されました。

 

 末っ子ヤギは言いました。

 

「……運がよかったな。

母が在宅していれば兄たちなど比べ物にもならぬ地獄の責め苦が待っていた」

 

 肉塊と化したオオカミは、もう何も喋りません。

 

 

【暑さ対策】

 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子の暑さ対策

 

 

 

 春と言うには暖かすぎる今日、

何故か朝からずっと視界にあなたがいる。

「何か?」

「何も」

「用があるなら、」

「何もないって」

 

 言葉とは裏腹の不満そうな目。

 

「……かき氷作りますか?」

「氷からだよ!」

 

 わかりやすいと言うか、わかりにくいと言うか。

 

 

【花にたとえる・1】

 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子を花に例えるとなんですか

 

 

 

「百合ですね」

 背を向けたまま彼はそう言った。

「華やかで良い匂いがして。花言葉は純粋」

 

 よくそんな歯が浮くようなことを。まるで口説く台詞だよ?

 そう咎めると彼は目を細めて振り返った。

「口説いているんですよ?」

 

 手元の花瓶から白い芳香が漂う。