twitterのTLに流れて来た、
『推しCPの片方がどうしようもないつらい目に
あったときどうするかよりも、
1000円渡されてアイス買ってきてって言われたとき、
何のアイス買って来るかって話をして欲しいです』より
私は悩んでいた。
アイスを買って来いを金を渡されたものの、何が食べたいのか確認するのを失念したのだ。
だが唐突に「アイス買って来て! 10分以内!」と有無を言わさず追い出されたのだから、この件に関して私に責はないだろう。
さて問題は何を買うかだ。
私のオススメはハーゲンダッツだが、あの人は案外にチープな味を好む。
特にこんな暑い日はバニラよりもシャーベット系一択だろう。バニラは後で喉が渇くから、その選択はあながち間違ってはいない。
しかしシャーベット系でもアイスバーは駄目だ。
あの棒状のものを咥えるのは、いやポタポタと融けた滴が落ちるのもあの人がやると妙にエロい。
だがカップを選んでもあの小さな匙で舐める舌のちらちらと見える紅が……何故《なぜ》だ。何故《なぜ》こうもエロ妄想ばかりが浮かぶ!?
暑さで脳が沸騰しているのだろうか。
そんなことを言っている間にも時間は刻々と過ぎていく。
ここはやはりハーゲンダッツで行こう。季節限定もあったはず……なにィ!? ガリガリくんにスイカ味だと!
馬鹿な。最近はガリガリくんですら季節限定があるのか。
そう言えば冬期にコンポタやシチュー味というものは見たことがあったが……ううむ、これはどうしたことか。
迷っている暇はない。
待たせれば待たせただけあの人の機嫌は悪くなる。
嗚呼、何故《なぜ》巷《ちまた》にはこれほどまでにアイスが溢れているのだ。
一種類だけなら迷うことなどないものを!
「で?」
「お待ちください。私が究極のアイスを作って差し上げます!」
待ちくたびれた様子で長椅子に転がっている人に、買って来た材料を燦然を掲げた。
完成品なら少量だが、原材料なら1000円あればそこそこ良いものが買える。
さあ! これで究極で至高なアイスクリームを……
「俺は”今”食べたいんだけど?」
twitterのTLに流れて来た
#物書きのみんな
自分の文体でカップ焼きそばの作り方書こうよ
より
蓋を開け、内側のラインまで熱湯を注ぐ。これがカップラーメンなら蓋を止めるシールがついているというのに、何故焼きそばにはついていないのだろう。隙間から蒸気が溢れるだけでもちゃんと戻るか気になるというのに。
気になると言えば名称だ。
何故焼いてもいないのに焼きそばを語る? 実際には茹でそば、否《いな》、戻しそばだろう。
戻しそば。なんだか食欲が減退する名前だ。だから焼きそばなのか。しかしこれは詐称ではないのか。
3分経ったら湯切り口を開け、湯を零す。そして蓋を開ければ戻しそ――食べる前だ、焼きそばと呼んでおこう――がある。ただでさえ少ないかやくが蓋について行ってしまうのを防ぐためにかやくは予《あらかじ》め麺の下に仕込んでおくといい、と……それを今になって思い出しても後の祭り。
ついでに言えば、肉やキャベツを炒めて追加するだけでかなり変わるそうだが面倒だからやっていない。
そうだろう、カップ麺を食べようと思う時と言うのは大抵作りたくないからなのだ。
そこにキャベツを炒める手間とフライパンを洗う手間を増やしてどうする。
美味い焼きそばが食べたければ普通に茹で麺を買ってくる。
……あれ? そう言えばあの正規の作り方も焼くではなくて炒めるだがそこは焼きそばでいいのか? 正しくは炒めそばではないのか?
嗚呼、考え出したらきりがない。とにかく今はカップ焼きそばに専念しよう。
粉末ソースは不味いから嫌いだ。
なので冷蔵庫からお好み焼きソースを出す。
同じメーカーから焼きそばソースなるものも出ているが、自分の好みはお好み焼きソース+ウスターソースだ。
分量は適当。半々くらいかもしれない。
茹で麺で作れば屋台の味(自称)だが、やはり麺が違う。しかし3分で焼きそばが食べられるようメーカーが知恵を絞って作り上げたものにケチをつけるのは如何なものか。これはこれでいい。
「いっつもそんなこと考えながら作ってるわけ?」
でも本当は……味の決め手は”どうやって食べるか”より、”誰と食べるか”ではないか、と思う。