140字SS-sideM 2


口説き文句


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #うちの子流の口説き文句

 



 腕を掴んで引き寄せて。
 どこにも逃げられないように固く抱きしめて。
 耳元で囁く言葉はたった1つ。

 「……私、の」



台風


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #台風が来たときのうちの子の反応

 

 



 手の平サイズの精霊は窓硝子《ガラス》に顔を押しつけて外を見ている。
 本を読んでいた彼はふいに立ち上がると窓硝子《ガラス》の鍵を確認した。

「何ですか?」
「……別に」

 そのまま本に戻ってしまった彼に精霊は口元を歪めた。

「素直じゃなーい」

 素直じゃないのはお互い様。



盲目


 

創作タグbot(@sosakutagbot)様より

#うちの子が盲目になったら

 



 おそるおそる伸ばされた手が頬に触れる。
 鼻、口、と確かめるように探る感触を黙ったまま受け入れる。
 いつもと同じ目なのに、もうそこに自分が映ることはない。

「あなたじゃなくてよかった」

 なんで笑うんだよ。責めて責めて、いっそのこと突き放してくれたら。



片思い


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #片思いしている相手についてうちの子が語る

 



 わがままで
 怒りっぽくて
 嘘つきで
 喧嘩っ早くて
 鈍感で
 すぐ拗ねる

 でも
 そばにいても、いいですか?



目隠し


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #突然目隠しをされて暗い部屋に

閉じ込められたときのうちの子の行動

 



 床が冷たい。肌寒くも感じる。何より見えないことが不安だ。
 あたしは腕をさすり……手が縛られていないことに今更気がついた。
慌てて目を覆っている布を取る。
これで……!

「部屋、真っ暗」

 ……目隠しの意味無いじゃない!



甘え方


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #うちの子なりの精一杯の甘え方

 



 甘える。
 子供の頃は何も考えずにできたことが今では難易度Sランク。素直に育たなかった自分が恨めしい。
 それに比べて義兄《あに》はどうしてこんなに簡単にできるんだろう。羨ましい。

 気づかれないようにそっと袖口を握る。
 うん。
 あたしには、これが精一杯。



泣かないで


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #うちの子に泣かないでと言わせてみる

 



 その人は泣かない。どんな時でも真っ直ぐ前を向いて、大丈夫、と笑う。
 でも、わかってしまった。笑えば笑うほど心が削られていくことを。それはとても泣くことに似て。

 支えにするには頼りないけど、だけどずっとそばにいるから。
 だから
 泣かないで。



見つめる


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #好きな人に無言で見詰め続けられたときの

うちの子の反応

 



 違う。
 これは絶対に好きとかそう言う感情は入っていない。
 喉が乾いた。お腹がすいた。眠い。だるい。退屈。飽きた。代わりにやって。遊んでいい? どんな台詞も想定内だ。

「好きだよ?」

 いや。絶対騙されない。



君が欲しい


 

 創作タグbot(@sosakutagbot)様より

 #うちの子に君が欲しいと言わせてみる

 



 例えば。
 おとぎ話の魔女のような魔法が使えたら、無数の茨で隠してしまうのに。
 翼をもいで、枷をつけて、助けを請う声を奪って。
 氷の柩に閉じ込めてもいい。眠り続けるあなたのそばで、永遠にその番をしよう。
 あなたが欲しい。
 ただ、あなただけが。



灯りが消えたら


 

 診断メーカー(http://shindanmaker.com/169048)様より

 室内で停電してしまった時の2人

(他に人がいるかどうかはおまかせ)

について語りましょう。

 



 弾けるような音がして、次の瞬間には部屋の灯りが落ちた。ペンを走らせていた音が止まったのは、まぁ当然のことだろう。

「今、仕事できなくなってラッキー、と思ったでしょう?」

 そう問うとくすりと笑う。

「こんな夜にまで仕事なんて無粋だってことじゃない?」

 細められる目に誘惑が揺れる。



動物園に行こう


 

 診断メーカー(http://shindanmaker.com/169048)様より

 動物園に行く2人について語りましょう。

 



 空は快晴。そんな日に動物園だなんてまるでデートみたい。彼女はお弁当のバスケットを手にしたまま伸びをした。
 連れである義兄《あに》は一つの柵の前に佇んでいる。柵の向こうには黒毛の狼。

「……やっぱり銀色のがいいよね」

 そんな足を蹴飛ばして。

「え? なに?」

 悪意がないから余計にムカつくのよ!



挫けそうです


 

 診断メーカー(http://shindanmaker.com/169048)様より

 2人で外出中に

相手が足を挫いてしまった場合について

語りましょう。

 



「……っ」

 痛みをこらえる声。見上げれば頬を染めた表情が妙にエロい。
 私の膝の上にはこの人の足。生足を触らせて貰っているだけでも鼻血ものなのに、そんな声聞かされたらそのまま昇天しちゃいますよあなた。

「くじいているみたいですね」
「そんなの最初からわかっ、や……っ」

 ……耐えろ、自分。